ダイエットを始めてすぐに・・・
または、ある程度減量してから・・・
急に体重が減らなくなってしまった経験はありませんでしょうか?
いわゆる停滞期ですね。
ダイエットをしている身からすると、決して来てほしくないはない、この停滞期。
原因は一体何なのでしょうか?いつまで続くのでしょうか?はたまた抜け出すことはできるのでしょうか?
巷ではよく、ホメオスタシス(恒常性)により、体重が減らなくなるという情報を目にしますね。
しかし、原因は恒常性による原因ではないかもしれませんよ?
今回は、様々な観点から停滞期をみてみます。皆さんの現状に合った原因がみつかるかもしれません。それぞれのケースによる停滞期の理由や期間、脱出方法を解説していきたいと思います。
目次
停滞期=ホメオスタシス(恒常性)の疑惑!

ホメオスタシス・・・恒常性という言葉は耳にしたことはありますでしょうか?
ダイエットでの停滞期の原因は、この「ホメオスタシスによる原因である」と多くの情報が出回っています。
しかし、本当に正確な情報なのでしょうか?まずはこの疑問を探ってみましょう。
ダイエットを停滞させるホメオスタシス(恒常性)とは?
ホメオスタシス – 恒常性とは・・・
- 生物が、外界の条件が変動しても体の状態や機能を一定に保つ働き。(参照:生物学用語辞典)
- ストレスになりうる外界の環境の変化に対して、生体を安定した恒常的状態に保とうとする仕組みのこと。(参照:健康関連語辞典)
- 体が生存し正しく機能するために必要とされる、体のシステム全体のバランスのとれた状態。この状態にあると、体内の酸、血圧、血糖、電解質、エネルギー、ホルモン、酸素、蛋白質、および体温の各値が、体内と体外の変化に反応して常に調整され、正常の値が保たれる。(参照:PDQ®がん用語辞書)
簡単に言うと、体に何らかの変化が生じたときに元の正常な状態に戻そうとする体の機能です。
ダイエットでは、減量により飢餓状態と体が判断し、生命維持のためにエネルギー消費を抑えたり吸収率を上げて、これ以上の減量を止めるというものです。
いつからいつまで?
ホメオスタシスによる停滞期は、2kg程度減量した時や体重の5%程度減量した際に多く現れ、長くて1か月程度続くということです。
どうやったら抜け出せるの?
抜け出す方法は、2つ。
1つ目は簡単に言うと過ぎ去るのを待つ・・・。つまりカロリーコントロールをしている場合は、そのまま継続、もしくは少し緩めるということです。運動などしている場合はそのまま継続。
2つ目はチートデイを実施する。内容は、各情報により誤差が大きいですが、2週間に1度程度、基礎代謝量の3倍程度のカロリーを摂取するというもの。これは、いわゆる飢餓状態にある体に対し、カロリーの大量摂取をすることにより、「正常な状態だよ」と騙す役割を果たすということです。
まとめてみると・・・
体重減少が-2kgくらいから5%落ちたくらいから、体のホメオスタシス機能により飢餓状態と判断され体重減少が伸び悩む停滞期に突入する・・。改善するには、今までのダイエットを続けつつ、2週に1度程度の間隔で1日約3000kcal以上の摂取をする。それによりホメオスタシス機能が「正常な状態」と騙され、また体重が落ちていく・・。
ホメオスタシスによる停滞期の疑問点
ホメオスタシス(恒常性)については、様々な研究で体の調整メカニズムにより解き明かされています。体温の調整やお腹が空いたり喉が渇いたりすることもホメオスタシス機能による調整メカニズムの1つです。
しかしダイエットによる減量での停滞期の場合、このホメオスタシス機能で体重が減らなくなっているのかは疑問なところです。
飢餓状態の謎
ダイエットによるホメオスタシスは、体が飢餓状態と判断し停滞すると多く解説がされています。しかし2kg程度の減量で飢餓状態と判断されてしまうのでしょうか?
実際に2kg程度の体重の増減は、1日単位で簡単に変わります。体は水分量が多いのはご存知の通りで、特にダイエットし始めは体内の水分量や糖質が減ることで、2kg程度はすぐに体重が減ります。食事などをする前とした後ですら体重は大幅に増減します。
中長期的に栄養分が不足し、代謝量が下がるというのはその通りですが、必ずしもホメオスタシスによる原因だけと考えるの無理があるような気がしますね。
チートデイの謎
チートデイは飢餓状態と判断した体を、カロリーの大量摂取により「正常な状態だよ」と騙す効果があり、一時的に体重は増えるがそこからまた落としていくことができるということですね。
しかしこのチートデイ・・・そもそもダイエットの原則に矛盾しています。減量するには「摂取カロリー<消費カロリー」でしたね。チートデイで推薦する摂取カロリーは、少なくとも消費カロリーの倍以上です。ということは間違いなくその分脂肪として蓄積されるということです。
今まで苦労して落としてきた脂肪を増やす行為は本当に正しいのでしょうか。疑問ですね。
ホメオスタシスによる原因や脱出方法が様々違う理由
皆さんは、俗にいう停滞期。つまり体重が減らないためにその情報を求めていると思います。
しかし、どの情報も多くはホメオスタシスによる停滞期の原因を示していますが、どれも原因や脱出方法がそれぞれ言っていることに違いがありませんでしたか?
チートデイにしても、「基礎代謝の3倍(約3000kcal)の摂取」や、「消費カロリーの3倍(約6000kcal)の摂取」など・・。これだけでも相当の誤差が生じますね。期間も「週1がいい」「2週に1回がいい」などなど。
何故このようなことが起きるのか・・。
はっきり言って誰も明確なことはわかっていないんですね。
ホメオスタシスやチートデイがよく取り上げられるのは、一見理にかなっているように見えて、情報量が多いからです。人は情報量が多いものに集まりますからね。
ホメオスタシス自体は科学的根拠があったとして、ホメオスタシスとダイエットの関係やチートデイに関する根拠と言うものは全くありません。
もう一度、様々な根拠や明確にわかっている事柄を前提に体重が減らない理由を見直してみましょう。
次の章では、体重が減らない原因や解決方法を様々な角度から探ってみます。
本当の停滞期の原因を探り解決する!

前章では、巷に出回っている体重が減らない(停滞期の)原因や改善策の曖昧さがわかったと思います。
この章では、少し原点に戻りつつ、体重が減らない本当の理由を解明しましょう。
まずは、より問題を明確にし認知を共有するため、停滞期の定義を簡単に説明します。
ダイエット停滞期の定義
ダイエットの停滞期は、ダイエットを開始し、始めのうちは順調に減少していた体重が、途中から減少しなくなってしまった状態です。これは、ダイエット当初とカロリーコントロールや運動習慣などは一切変えていないのにも関わらず、体重が減少しなくなったという状況です。これを停滞期の定義とします。
カロリーコントロールを緩めたり運動習慣をサボってしまい体重が落ちない場合は、停滞期ではありませんね。
それでは、この定義を元に考えられる原因をいくつかあげてみましょう。
原因分析:ケース1 そもそもダイエット効果がない方法を実施している
このパターンの方はとても多いです。
ダイエットは体脂肪を落とすための取り組みですよね。この「体脂肪を落とす」という言葉を忘れず読み進めてくださいね。
俗にいう停滞期は、体重が2kg前後落ちたタイミングでやってくるとよく言われています。しかしこの多くは実は、停滞期ではないのです。
体脂肪以外の減少による体重減
前の章でも簡単に説明しましたが、ダイエットのし始めは体重が減りやすい状態にあります。
それは今まで何もしていなかった状態から、カロリーコントロールで糖質や脂質を抑えたり、運動をして汗をかいたりするようになったことで起こる、体内の水分量・糖質・胃腸内容物が減ることによる体重の減少です。これによる体重減は、2~3kg簡単に増減します。
つまり体重が減ったことにより、ダイエットできていると勘違いしていただけで、実は体内の水分量などが減ったことにより体重が落ちただけであり、体脂肪は落ちていなかったということ。
それにより、そもそも停滞期ではなくダイエット方法が間違っているということです。
ダイエットは体重を落とすのではなく、体脂肪を落とす行為です。
体重はあくまでも目安であり、長期的にみると体脂肪と体重は比例しますが、短期的には体重は変動が大きく目安にはなりません。体脂肪は一般的に、1日100~150g程度しか落とすことはできないのです。
ダイエットの原理・原則、正しい取り組み方は下記で知ることができます。自分の行っている方法は正しいのか、正しい知識をつけて効果的にダイエットに取り組む参考にしてください。
ダイエットは「摂取カロリー<消費カロリー」と言う原則を、必ず頭に入れるようにして取り組んでください。
原因分析:ケース2 生理による体重の増減
こちらに関しては女性に限ったことになりますが、生理前から生理中にかけて体の水分量が増加します。それに伴い体重も増えてしまいます。
ダイエット中などに毎日体重を測っている場合などは、生理期間は体重が落ちにくいはずです。
これは一時的な水分量の増加であるため、生理が終わると自然に水分量は元に戻ります。
停滞期と勘違いしてしまいそうですが、体の仕組みですのでそういうものだと理解し、生理による体重の増加は気にする必要はないでしょう。
原因分析:ケース3 体重減少による消費カロリーの減少
こちらのケースは一見ホメオスタシスによる停滞期と似ているように感じます。
しかしまず観点が異なり、解決方法もあります。
実際に実験でも証明されている根拠に基づいた停滞です。
こちらのケースは、ダイエットを開始し体重が減っていくことに起因しています。
体重が減少するということは、比例して体の組織自体も小さくなっていきます。それに伴い必要なエネルギー量が減るため消費カロリーも減っていくということです。
つまり体重が減れば、体の組織が小さくなる。
↓
体の組織が小さくなれば、消費するカロリーが減る。
↓
消費カロリーが減れば、今までと同じ摂取カロリーでは、当然体重が減るペースも緩くなりいずれ減らなくなるということです。
この原理であれば、当初のダイエットを続けていれば、停滞期が来るのは必然的です。
当初のダイエットを見直し改善しなければ、停滞期を乗り越えることはできないですね。
著者の経験をもとに例えてみます!
こちらは実際に、著者がダイエットに取り組みその過程で停滞期に襲われ、脱出した経緯を例として解説してみます。
開始当初(3/1)のステータス
年齢:30歳 性別:男性 身長:165cm 体重:63.5kg
1日の消費カロリー推定値:2,176kcal
1日の摂取カロリー目標:1,900kcal (2,176kcal-250~300kcal=約1,900kcal)
カロリーコントロールで、1日の消費カロリーから1日の摂取カロリー目標を割り出し実践してみました。順調にダイエットに励み、3か月で57.5kg=-6kgの減量に成功です!(3/1 : 63.5kg ~ 6/1 : 57.5kg)

しかし、6/1 ~ 9/1まで体重が0.4kgしか減っていません。いわゆる停滞期ですね。この期間はダイエット開始当初と同じカロリーコントロールであるにも関わらず、徐々に体重の減りが緩やかになりほぼ止まりました。ちなみにチートデイの実施なども行いましたが効果はありませんでした。
そこで「体重が減れば体自体も変わるよな」と言う結論にたどり着き、カロリーコントロールの見直しを行いました。
開始から3か月後(6/1)のステータス
年齢:30歳 性別:男性 身長:165cm 体重:57.5kg
1日の消費カロリー推定値:2,074kcal
1日の摂取カロリー目標:1,800kcal (2,074kcal-250~300kcal=約1,800kcal)
体重が63.5kg時点(当初)と57.5kg時点(3か月後)では、1日の消費カロリー推定値は約100kcal違いがあるということです。あくまでも推定値なので、多少の誤差はあります。
6/1 ~ 9/1で体重が減らなくなったことを考えると、消費カロリーが減少し、摂取カロリー=消費カロリーに近い状態にあったと言えるでしょう。
その後9/1 ~ 10/1で、1日の摂取カロリーを1,800kcal以下で取り組むと1か月で2kg程簡単に落ちたという結果です。

以上のことから、体重減少により体格が変化しています。それに伴い消費カロリーが減ったため停滞期に突入したということでしょう。
ダイエットプランを見直し、新たに目標値を変更し取り組んだ結果、また体重が減少するようになりました。
この原理・原則による停滞期は、自身の体験からも学びましたが、実際に実験により検証されている点も信憑性があると言えるでしょう。
ちなみに、自身の消費カロリーなどの割り出しなどは、下記から行うことができますので、実際に推移をみながら取り組んでみてください。
目標設定の仕方は下記で解説しています。
ホメオスタシス原因の停滞期との観点の違い
ホメオスタシスによるダイエット停滞期の観点では、体重減少により生じた変化を元に戻そうと消費カロリーが低下し、体重減少を停滞させるということです。
対処するには、現状維持をしながらホメオスタシス機能が「体は正常だ」と判断をするのを待つか騙すかですね。
しかし、この原理・原則ベースのダイエット停滞期の観点では、体重の減少により体の組織が小さくなるため、消費するカロリーも下がるのは当たり前のことと考えます。
対処するには、その時点の体格に合ったダイエットプランの組み直しです。
このように、体格の大きい男性と小柄な女性の消費カロリーが違うように、体の変化に合せて目標設定を都度見直して取り組んでいく方が理にかなっていると思います。
予備知識:運動の慣れによる消費量の低下
こちらに関しては、科学的根拠はありませんので予備知識として掲載します。
みなさんは運動を始めたばかりの時と、継続して習慣になったときの疲労感って違うのではないでしょうか?
少しダイエットとは離れますが、例えば筋トレのやり始めは5kgのダンベルを数回上げるのがやっとだったにも関わらず、1か月後には5kgは20回以上、上げれるようになり、一か月前に上げれなかった7.5kgも上げれるようになった。
ランニングも最初は5kmで限界だったのが今では10km簡単にこなせるなど。
これは、運動に慣れていくことで、体が適応し消費カロリーが下がるということです。
こちらの情報は裏付けがないため、信憑性はありませんが、経験したことがある人は多いのではないでしょうか?これが本当の場合は、どんどん運動量を増やして消費カロリーを減らさないようにしなければなりませんね。
まとめ

いかがでしたでしょうか?
ダイエットで体重が減らない本当の原因を知り、これからのダイエットやボディメイクの改善方法や正しい目安として活用できるはずです。
最後に大事なポイントをまとめてみましょう。
停滞期のポイントをおさらい
- 停滞期をホメオスタシス(恒常性)による原因と決めつけるのは、ダイエットの失敗を招く恐れがある。
- いわゆるチートデイは、ダイエットの原則と矛盾し効果が見込めない可能性が高い。
- 停滞期の原因は、ダイエット方法が間違っているケースが多い。
- 体重を重視するあまり停滞期と勘違いすることがある。体重は長期推移を確認し、体脂肪を減らすことを重視しなければいけない。
- 本当の停滞期は、体重減少により体組織も小さくなり、消費カロリーが減少することにより、体重が減らなくなる。
- 停滞期を脱出する方法は、体重推移に合わせて、ダイエットプランの見直しをすることで改善し減量することができる。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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