基礎代謝は消費カロリーの約60%という大部分を占めていて、ダイエットでよく注目されるポイントです。
特に「基礎代謝を上げてダイエット」「基礎代謝を上げるには筋トレが1番」なんて情報をよく目にします。
もはやダイエットの常識のようなところでしょうか・・・。
しかし・・・その情報・・・
間違っています!!
確かに基礎代謝を上げる方法はありますが、それでダイエットができるなんてあり得ません。
ここでは、その誤った情報を根拠のある情報を以って解説していきたいと思います。
正しい知識をつけ、いち早くダイエット失敗予備軍から抜け出し効率的な効果的なダイエットに取り組みましょう。
目次
筋トレで基礎代謝は上がるのか?

「筋トレをして基礎代謝アップ!」
よく聞く話ですが、はたして筋トレで筋肉をつけることにより、基礎代謝量はアップするのか?細かく紐解いていきたいと思います。
筋トレで基礎代謝を上げるということは・・・
筋トレをして筋肉量を増やし、それにより基礎代謝を上げてダイエットするというのは、スタンダードな方法と思われがちです。しかしこれはほぼ不可能です。
基礎代謝を上げたいと考えている目的はなんでしょう?ダイエットでしょうか?リバウンドしづらい体をつくるためでしょうか?
筋肉増強とダイエットの原則を知ればこのほぼ不可能である理由が理解できると思います。
ダイエットの原則
痩せるためには、運動しますか?筋トレしますか?ストレッチをしますか?
確かにこれらは、多少の消費カロリーを上げる事に役立つかもしれません。
しかしダイエットの原則は「消費カロリー>摂取カロリー」なんです。
つまりカロリーコントロールをして、消費カロリーより少ない摂取であれば痩せられるということです。運動などはあくまでも補助的な考え方にしてください。運動をしなくても痩せること自体は可能です。
筋肉増強の原則
筋肉を効率的に増やすための要素は2つです。
1つめは、簡略的に伝えると、鍛えたい部位にしっかりと負荷をかけてトレーニングすること。
2つめは、ダイエットとは逆に「摂取カロリー>消費カロリー」にするということです。少し脂肪量が増えるくらいのエネルギー補給をしていくことが効率的に筋肉量を増やすコツです。
実際に、摂取カロリーが消費カロリーより多いと筋トレをしていなくても筋肉量は増えていきます。
ダイエットと筋肉増強は分けて考えなければならない!
ダイエットと筋肉増強の原則は理解できましたでしょうか?
基礎代謝を上げたいと思っている人は、消費カロリーを増やしダイエットをしたい。またはリバウンドしない為にと考えているでしょう。
しかしダイエットをしながら筋肉量を増やすことはとても難しいため、基礎代謝を上げる事がほぼできないのです。またリバウンドの本当の原因は、基礎代謝の低下以外の原因がほとんどです。リバウンドについては他の記事で解説します。
ダイエットしながら筋トレをすることは、あくまでも現在の筋肉をキープするためです。筋トレをせずにダイエットをすると、脂肪量と同時に筋肉量も3:1くらいの割合で減っていきます。そこで筋トレをすることにより、筋肉が落ちにくくなり脂肪だけを落としていくことができます。
ボディビルダーなども減量期と増量期を分けてゴールに向けて調整を行っています。
効果的に取り組むためには、筋肉増強とダイエットは分けて考えなければならないということです。
以上のことから、筋トレで基礎代謝を上げてダイエットするということは、非現実的なのです。
それでは少し話を戻して、次の章では基礎代謝と消費カロリーとは、そもそも何なのか。
基礎代謝と消費カロリーについてお話していきたいと思います。これを理解すれば基礎代謝を上げてダイエットするという不毛な戦いに挑む気はなくなるはずです。
消費カロリーを熟知すれば基礎代謝も網羅できる!

前の章では、筋肉を増やすこととダイエットすることの両立はほぼできないというお話をさせていただきました。つまり筋トレで基礎代謝を上げてダイエットは現実的ではないということですね。
ここでは少し原点に戻り、そもそも基礎代謝とは何なのか?消費カロリーとは何なんのか?についてお話していこうと思います。
何事も基礎を身につけなければ、成功することは極めて難しいです。原理原則、基礎基盤をしっかりさせれば、あとはやるだけです。効率よく目標達成のため取り組んでいきましょう。
消費カロリーとは
私たちは日々食事などからエネルギーを摂取し、そのエネルギーを体が使って生きています。
消費カロリーは体が使うエネルギー量のことです。
この体が使うエネルギーの消費は大きく3つで構成されています。
①基礎代謝
②生活活動代謝
③食事誘発性熱産生
この3つのエネルギー消費が一般的に言う消費カロリーです。
消費カロリーの各代謝量の割合は下記図の通りです。

それでは3つの消費カロリーを順番に、簡単に説明していきたいと思います。
基礎代謝とは(消費カロリーの約60%)
心身ともに安静な状態のときに、生命活動を維持するために必要最低限のエネルギー量のことです。
一切動かずに寝ていようが何をしていようが、生きるために勝手に消費されるカロリーです。
具体的には、脳や臓器・骨格筋の活動による消費です。骨格筋は筋肉を動かすためではなく、体温生成のためのエネルギー消費になります。
つまりこの基礎代謝は、生活・運動習慣で変えることがほぼできないのです。
基礎代謝を決める要因は、性別・年齢・体格(身長・体重・筋肉量)です。
基礎代謝を増やすことはできる?
基礎代謝について知ることにより基礎代謝量を増やすことの難しさを理解していただけかと思います。まずダイエット目的での基礎代謝向上は現実的ではありません。
しかし、ダイエットを考慮しなければ基礎代謝を上げる事はできます。
基礎代謝を決める要因を見てわかるように、体格を変えれば基礎代謝量も変化します。
身長は変えることはできませんので、具体的に上げる方法は、筋肉により体重を上げるということです。わかりやすく言うと筋肉により体の表面積を増やすイメージです。そうすることにより基礎代謝は上がります。
そのためには、ダイエットではなく摂取カロリー>消費カロリーにして、増量しながら筋肉をつけないといけないですね。
体格の変化により上がる基礎代謝量
体格の変化により基礎代謝が上がることはわかりましたが、はたしてどれくらい上がるのでしょうか?気になるところですね。
必死で肉体改造に励み、筋肉量を1kg増やすと上がる基礎代謝は、20kcal/日程度です。筋肉量を1kg増やすのに男性でうまくいけば1か月・・初心者なら6か月程度かかってしまうかもしれません。
長期的な健康への取り組みとしては大事ですが、ダイエットにはとても効率的とは言えないですね。
基礎代謝の向上する数値から見ても、ダイエットに効果的とはとても言えません。
生活活動代謝とは(消費カロリーの約30%)
日常生活や運動などの活動で消費するエネルギーのことです。
つまり、歩いたり・・家事をしたり・・遊んだり・・運動したり・・仕事をしたり・・・
ライフスタイルや習慣、環境によって、人それぞれ生活活動代謝は変化します。
よく「運動して基礎代謝アップ!」と聞くのは、完全に間違った情報です。運動により上がるのは基礎代謝ではなく、消費カロリーの生活活動代謝の部分です。
何故ここまで細かく言うのかというと、消費カロリーの割合が全く違うからです。
消費カロリー100%中、基礎代謝は約60%、生活活動代謝は約30%の割合です。
例えば1日の消費カロリーが2000kcalだとすると、基礎代謝で1200kcal、生活活動代謝で600kcalです。なんらかの運動により5%向上すると仮定すると、全く結果が変わってくると思います。
生活活動代謝を増やすことはできる?
消費カロリーを上げるには、この約30%生活活動代謝を上げるのが1番効果的ではあります。生活活動代謝は運動量(活動量)に比例して上がります。これはメッツ(METs)という単位でよく計算されます。
運動量とは、デスクワークより肉体労働の方が生活活動代謝は上がり、ウォーキングよりランニングの方が生活活動代謝は上がるということです。
運動・活動の変化により上がる生活活動代謝量
ここで・・少し衝撃的なお話ですが、運動で消費カロリーは確かに上がります。
しかしダイエットには効率的ではないです。なぜなら、運動には時間や体力・精神の労費が必要だからです。運動とそれで消費したカロリーはとても費用対効果は見込めません。
体脂肪1kg落とすためには、100km以上、約16時間のランニングしなければ落ちません。日々時間と体力を使い頑張って走っても、なかなか結果が出なくて精神まで削られては本末転倒です。もっと効果的で効率的な方法はあります。
それは原則に沿ってやることだけです。
食事誘発性熱産生とは(消費カロリーの約10%)
食事をした際に体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されるエネルギーです。
栄養素の種類により消費エネルギーが異なり、たんぱく質のみの場合が1番消費します。
しかし、通常の食事は栄養素の混合なので摂取エネルギーの約10%が食事誘発性熱産生による消費カロリーになります。
食事誘発性熱産生の消費カロリーも上げる事は可能です。しかし生活活動代謝同様上がる割合は微々たるもので、食事誘発性熱産生の向上によるダイエットも現実的ではありません。
「ダイエット効果!〇〇成分配合!」「〇〇を食べれば代謝アップ!」「〇〇は朝食に摂るとダイエット効果あり!」などよく目にしますが、基本的に食べて痩せる食品や飲料、商品はありません。
食事誘発性熱産生を上げる方法は、簡単に言うと一般に言われるような、規則正しい健康的な生活を心がけることで自然と上がります。
以上、消費カロリーと消費カロリーを構成する基礎代謝・生活活動代謝・食事誘発性熱産生についてご理解頂けましたでしょうか?
要点をまとめてお話しさせていただきましたので、「もっと詳しく知りたい」「実際に自分の代謝量を把握したい」という方は、下記の記事を参照していただくと、より理解が深まり自分に合ったダイエットプランの構成に役立つと思います。また自動計算ツールもありますので実際に使ってみてください。
まとめ ~ダイエット失敗予備軍からの脱出~

いかがでしたでしょうか?
今回は「基礎代謝上げるには筋トレ!?それではダイエットできない根拠を解説!」という内容でお届けしました。
基礎代謝、そして消費カロリーについてを知り、ダイエットの原則や筋肉をつけるための原則も知ることができたかと思います。
これからダイエットやボディメイクに取り組む際の正しい目安として活用できるはずです。
最後に大事なポイントをまとめてみましょう。
今回のポイントをおさらい
- ダイエットの原則は「消費カロリー>摂取カロリー」で摂取カロリーのコントロールをすること。
- 筋肉を増やす原則は「摂取カロリー>消費カロリー」と筋肉を増やしたい部位にしっかり負荷をかけたトレーニングをすること。
- ダイエット中の筋トレは、筋肉量はほぼ増えない。脂肪と同時に筋肉を落とさないよう、筋肉量をキープする効果がある。
- 基礎代謝を決めるの要因は、性別・年齢・体格(身長・体重・筋肉量)であり、生活・運動習慣で変えることはほぼできない。
- 基礎代謝を上げるには、筋肉量を増やし体を大きくするしかない。しかし筋肉量1kg増量で上がる基礎代謝は20kcal/日程度で効率的ではない。
総括
- 基礎代謝を上げるために筋肉を増やすということは、「摂取カロリー>消費カロリー」にしなければ効率よく筋肉がつかないためダイエットはできない。筋肉を増やすことによる基礎代謝の向上も費用対効果は薄い。
- 効率よく効果的にダイエットするには「消費カロリー>摂取カロリー」の原則を基準に、食材を変えたり摂取量を減らしたりしてカロリーコントロールをし、補助的に運動や日々の活動で消費カロリーの向上を図るのが、効果的で効率的なダイエットの取り組み方と言えるでしょう。
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