ダイエットをする際に大切なことはなんでしょうか?
運動することでしょうか?カロリーコントロールをすることでしょうか?筋肉トレーニングをすることでしょうか?
ダイエットの方法は様々あります。運動だけとってみても、やり方は多数ありますね。
しかし、1番効果があり効率的にダイエットする原則は1つです。
「摂取カロリー<消費カロリー」
つまり、1日で体が消費するカロリーを上回る摂取をしなければ痩せるということです。カロリーコントロールをすることがダイエットの原則なのです。いくら運動しようが筋トレしようが、摂取カロリー>消費カロリーでは痩せることは不可能です。逆に運動や筋トレを一切しなくても、摂取カロリー<消費カロリーであれば痩せることは可能です。
この記事を読めば、下記の正しい情報を手に入れ活用することができます。
- 摂取カロリーと消費カロリーの基礎知識を習得!
- 正確に自分の1日の消費カロリー推定値を把握!
- ダイエットの目標設定方法、目標数値の明確化!
- 効果的・効率的に無理のない1日の摂取カロリーの設定!
- プラスアルファでダイエットを加速させる方法!
目次
原理原則と基礎知識 ~摂取カロリーと消費カロリー~

まず最初に、痩せる理由や太る理由などの原理原則と、摂取カロリー・消費カロリーの基礎知識を身につけましょう。
何事も基礎・基盤を作り正しい知識のもと取り組むことが結果を出すための近道です。基礎知識があれば、効果的・効率的に取り組めるばかりか、停滞期や結果が伸び悩んだ際にも原因の分析や改善にも役に立つことでしょう。
さっそく進んでいきましょう!
摂取カロリーとは?
食事などにより、体内へ入ってくるエネルギーのことです。このように摂取した栄養素が体のエネルギーとなるものを摂取カロリーと言います。
そしてカロリーを持つ栄養素は、大きく分けてたんぱく質・脂質・炭水化物の3つです。三大栄養素と呼ばれていますね。
栄養素 | 1g当たり | 主な食材 |
たんぱく質 | 4kcal | 肉・魚・卵・大豆製品、プロテインなど |
脂質 | 9kcal | 乳製品、植物油、バターなど |
炭水化物(糖質) | 4kcal | ごはん、パン、麺類など |
※食品によって数値に若干の変動があります。
それぞれ上記のように体の中でエネルギーになります。摂取カロリーが増えてしまう原因は、主に脂質と糖質の過剰摂取です。
消費カロリーとは?
私たちは日々食事などから摂取したエネルギーを使って生きています。このように体が使うエネルギーを消費カロリーと言います。
そして消費カロリーは大きく3つの基礎代謝・生活活動代謝・食事誘発性熱産生で構成されています。

消費カロリーの中では基礎代謝の割合が約60%と多くを占めています。
簡単に、基礎代謝・生活活動代謝・食事誘発性熱産生について触れておきましょう。
基礎代謝とは?
基礎代謝とは、心身ともに安静な状態のときに、生命活動を維持するために必要最小限のエネルギー量のことです。
具体的には、臓器や脳の活動、体温を作り出すためのエネルギーです。性別・年齢・体格(身長、体重、筋肉量)による影響で人それぞれ変わり、ライフスタイルや生活習慣などによる影響は、ほとんどないということです。
詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
生活活動代謝とは?
生活活動代謝とは、日常生活や運動などの活動で消費するエネルギーのことです。つまり体を動かす際に使うエネルギーです。
基礎代謝と違い、ライフスタイル(仕事や家事)や運動習慣によって変わるということです。簡単に言うとデスクワークの人より肉体労働の人が生活活動代謝量が多くなります。これは運動量に比例して代謝が上がり、よく運動強度=メッツ(METs)という単位で表されています。
消費カロリーを上げる事を考える場合は、この生活活動代謝を上げる事が効率的です。
詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
食事誘発性熱産生とは?
食事誘発性熱産生とは、食事をした際に体内に吸収された栄養素が分解され、その一部が体熱となって消費されるエネルギーです。つまり食事により栄養が消化吸収される活動で熱が産生され代謝が増えます。
また栄養素の種類によって消費エネルギーが異なり、たんぱく質のみを摂取した場合が1番消費が大きいです。しかし栄養素を単体では摂取できないので、摂取エネルギーの10%程度が食事誘発性熱産生による消費になります。
詳しく知りたい方は下記をご参照ください。
以上の3つが総称として消費カロリーと呼ばれています。
消費カロリーについては下記で詳しくまとめていますのでご参照ください。
ダイエットの原理原則
ダイエットの原理原則は至ってシンプルです。
体重を減らすためには、「摂取カロリー<消費カロリー」にする。
体重を増やすためには「摂取カロリー>消費カロリー」にするだけです。
「摂取カロリー=消費カロリー」であれば体重をキープすることができます。
参考程度に少し詳細にお話しすると、食事から摂取した三大栄養素は体内でCO2とH2Oに分解されてエネルギーとして消費されていきます。消費されず残ってしまった栄養素が脂肪として蓄えられます。ダイエットにより摂取カロリーを制限することで、足りないエネルギーを肝臓や筋肉に蓄積されたグリコーゲンや体脂肪、身体を構成するたんぱく質などから分解されることでいわゆる痩せるという状態になるのです。
原則を踏まえた上で効率的にダイエットをするなら、カロリーコントロールをして摂取カロリーを抑える工夫をすることが1番効果的です。
消費カロリーを増やすために、基礎代謝を上げる努力や運動・筋トレなどをすることも多少の効果はありますが効率的な方法ではありません。気分転換や健康面、美しい体作りには大切な要素ですが、痩せる方法としては時間や体力などを消費する割に効果は薄いと言えるでしょう。運動や筋トレが好きな場合はやった方がいいですが、そうでない場合は、「カロリー調整のために運動」「筋肉減少を防ぐため筋トレ」などあくまでも補助的な使い方で行った方が挫折も少なくなると感じます。
例えば、体脂肪を1kg落とそうとする場合、100km以上のジョギングをしてやっと1kg落ちるくらいです。
カロリーコントロールでは、普段飲んでるジュースやラテなど3杯ほど飲んでいたら、それを水やブラックコーヒーに変えるだけでも1か月で1kg以上は減量することができます。
ちなみに、筋トレをせずダイエットをした場合は、脂肪3:筋肉1程度の割合で筋肉も自然と落ちてしまいます。そこでダイエットをしながら落としたくない部分の筋トレをすることで、筋肉をキープして脂肪だけを落とすことができます。
ダイエットをしながら筋トレを推奨する理由は、このように筋肉をキープしてより美しい肉体を作るためです。またリバウンドしにくい体をつくることにも繋がります。
基準を把握する! ~1日の消費カロリーの計算~

基礎知識とメカニズムを理解できたところで、早速ダイエットに取り組むための下準備を始めましょう。
1日の消費カロリーを正確に把握することで、摂取カロリーのコントロールができるようになります。自分の消費カロリーを知ることはダイエットにおいて基準となる重要な指標です。
1日の消費カロリーの自動計算
生活活動強度区分という指標を使い、ライフスタイル別に消費カロリーを計算します。
生活活動強度区分 | 日常の過ごし方 | ライフスタイル |
レベルⅠ - 低い | 散歩、買い物など比較的ゆっくりした1時間程度の歩行のほか、大部分は座位での読書、勉強、談話、また座位や横になってのテレビ、音楽鑑賞などをしている場合 | ほとんど体を動かさない |
レベルⅡ - やや低い | 通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車、接客、家事など立位での業務が比較的多いほか、大部分は座位での事務、談話などをしている場合など (国民の大部分が該当) | デスクワークなど座位が中心で、通勤・家事で少し体を動かす |
レベルⅢ - 適度 | 生活活動強度レベルⅡの人が、1日1時間程度は速歩やサイクリングなど、比較的強い身体活動を行っている場合(健康のために望ましい活発な生活行動をしている場合、望ましい目標) | 立ち仕事や家事などで頻繁に体を動かしたり、 軽いスポーツを行っている |
レベルⅣ - 高い | 1日、1時間程度は激しいトレーニングや肉体労働を行なっている場合 | 肉体労働や本格的なスポーツを行っている |
自分に最も当てはまる生活活動強度区分を確認してください。
下記の自動計算ツールに体重・身長・年齢を入力し、性別・生活活動強度区分をそれぞれ選択してください。
1日の総消費カロリー・基礎代謝・生活活動代謝・食事誘発性熱産生の推定値が自動表示されます。
消費カロリーなどの計算は様々な方法があります。
中には日本人には合わない精度の低い方法などがあります。計算方法は推定値算出のなので、多少の誤差はありますが、当方での検証や経験則から日本人に合った高精度の方法を採用しております。詳しく知りたい方は各記事内で、計算方法の詳細の公開や比較もしておりますのでご参照くださいませ。
目標設定をしよう! ~ダイエット成功の鍵~

さあ、これから実際にダイエットに取り組むための具体的な目標設定に入りましょう。
自分の消費カロリーを把握してどう思われたでしょうか?低いと感じましたでしょうか?
現代人は普通に生活をして食事をしていると、摂取カロリーが多すぎる傾向が高いようです。美味しいと感じるものは大抵カロリーが高いですよね。外食やコンビニ食で済ませることが多い人だとなおさら摂取カロリーは多くなりがちです。
ここでは、自分の現在の消費カロリーを元に摂取カロリーの目標値を設定していきます。
1日の摂取カロリーの目安
ダイエットの原則は「摂取カロリー<消費カロリー」です。
単純に言えば、先ほど把握した消費カロリー以下の摂取カロリーにコントロールすれば痩せれるわけですが、結果を出すためには目標値があった方が取り組みやすいですよね。
摂取カロリーの目安としては、1か月/減量1kgにつき-250~-300kcal/日が望ましいでしょう。
1日の消費カロリーが2,000kcalと仮定すると・・・
1か月で1kgのダイエットを目指すなら、摂取カロリー目標:1,700~1,750kcal程度。
1か月で2kgのダイエットを目指すなら、摂取カロリー目標:1,400~1,500kcal程度。
運動などを取り入れる場合は、運動で消費したカロリー分、摂取できるカロリーを増やすことができます。基本的にはカロリーコントロールで痩せることを考え、補助的に運動を取り入れ消費カロリーを上げる考え方がオススメです。
また、1日の摂取カロリーは基礎代謝を下回ってはいけないと言われることがありますが、これは特に気にする必要はないでしょう。運動などをほぼせず体を動かしていない人ならば、基礎代謝を下回ることはあります。
基礎代謝は簡単に言うと、生きるために勝手に消費されるカロリーというだけなので、基礎代謝以上の摂取をしなければいけない!というわけではありません。摂取カロリーが基礎代謝以下になった場合も、同じく脂肪などからエネルギー消費されていきます。
しかし、次の章で説明しますが、摂取カロリーの減らしすぎはリスクが大きいので気をつけましょう。
ダイエットのペース
誰しもダイエットするからには「早く結果を出したい」と考えるものでしょう。しかし摂取カロリーを減らしすぎるのは様々なリスクが潜んでいます。
1か月に5kg以上のダイエットをしようとすると、健康を損なうリスクが極めて高くなります。トレーナーなどのプロフェッショナルのもと取り組むのであれば可能ですが、初心者が短期集中の無理なダイエットをしてしまうと、必要な栄養素の補給もできず危険です。
ダイエットのペースは、体格などにもより一概には言えませんが、体重の5%程度を上限にしておくべきでしょう。
またダイエットを始めて、1か月前後、もしくは体重の5%程度減少したタイミングで停滞期が始まることが多いです。これはホメオスタシス(恒常性)と言う、人間に備わっている危機管理能力です。
恒常性は、ダイエットで食事などにより栄養が十分に摂れない状態が続き、体が飢餓状態と判断されてしまい正常に保とうとする働きです。食事のエネルギー吸収率が高まり、運動・活動の消費エネルギー、基礎代謝などが低く抑えられ体重減少を防ぎ生命を守ろうとします。ダイエットに取り組んでいる身としては厄介ですね・・。
この停滞期は長くて1か月程度続き、ここでダイエットを諦めてしまう人が多いのですが、停滞期が来たら、現状維持、もしくは少しカロリーコントロールを緩めたりして、運動は続けて過ぎ去るのを待つしかありませんので、予め停滞期を見込んだ計画を立てることが重要となります。
具体的には短くて3か月の期間で設定すると取り組みやすいかもしれないですね。減量目標量が多い場合は、体重の5%程度を上限という決まりは守り期間を長くするべきでしょう。
目標設定手順
ここでは最後に、簡単に具体的な目標設定の流れを解説します。
- 消費カロリーの把握(例:2,000kcal/日)
- 目標の減量体脂肪量の設定(例:マイナス6kg)
- ダイエット期間の設定(例:3か月)
- 1日の摂取カロリー目安の数値化(減量体重/月:②-6kg÷③3か月=2kg/月 目標減量kcal/日:2kg×-250kcal=500kcal 目標摂取カロリー/日:2,000kcal-500kcal=1,500kcal)
これで、-6kgのダイエットを3か月間で行うためには、1日の摂取カロリーを1,500kcalに抑えれば良いということがわかりました。
少しテクニカルに停滞期を見込む場合は、1か月目で-3~4kg落とす設定、2か月目は維持、3か月目で-2kg落とすというように設定すると気持ち的にもゆとりをもって取り組めるかもしれません。特にダイエットし始めのうちは、体重が落ちやすいので1か月目をきつめに設定してもいいかもしれません。
おまけ ~ダイエットの加速方法~

前章までで具体的に取り組むための目標設定が完成できたかと思います。あとは行動あるのみというところでしょうか。
ここでは、おまけとして、これから取り組むダイエットをより効果的に加速させる方法、そしてカロリーコントロールをより制限をかけないように取り組む方法を簡単にお伝えします。
原理・原則に従うからこそ見えてくる加速方法
ダイエットを効果的に取り組むには「摂取カロリー<消費カロリー」の原則の活用です。そして原理・原則に沿ってダイエットを進めようとすると、カロリーコントロールが鍵ですね。この原理・原則と消費カロリーの基礎知識を把握しているだけで、加速させる方法が見えてくると思います。
この原則は、あくまでもダイエット方法の1つであり、特に効果のある方法ということです。それを踏まえると、他のダイエット方法は補助的な扱いで取り組むことにより相乗効果を見込め、加速させていくことやより負担を少なく取り組むことが可能になります。
具体的に例をあげてみましょう。
ダイエットを加速する3つの方法!
カロリーコントロールダイエットを軸に置くことにより、その他のダイエット方法を補助的に捉え、実践することでより痩せやすい体作りができます。
運動でダイエットを加速&負担軽減
適度な運動をすることは健康にとてもいいことです。そして運動することにより消費カロリー(生活活動代謝)が上がりダイエット効果もあります。
この運動をダイエットに取り入れるとどんなメリットがあるのでしょうか。
例えば軽いジョギングを30分程度して250kcal程度消費したとします。そうすると単純に1日のカロリーが減るのでもちろんダイエット効果があります。
使い方として、例えば飲み会や食事会があり摂取カロリーを抑えることが難しい場合、予め運動をしておけば生活に合わせてコントロールすることができます。
また、食べたいものを我慢してカロリーコントロールをしている場合は、例えばプリンを食べたいと思えばプリンのカロリー分運動すれば我慢せずに済みます。
このように、運動を取り入れてカロリーコントロールをより開放的にすることで、精神的にもストレスを少なくダイエットに取り組むことができます。
筋トレで相乗効果アップ!
筋トレをすることにより、ダイエット中に筋肉が落ちてしまうのを防ぐ効果があります。痩せてより体のラインを美しく見せるためにも効果的です。
さらに筋トレをすることで、代謝効率が良くなり血行促進効果もあります。また成長ホルモンが多く分泌されるため細胞の再生機能が向上され肌つやも良くなります。いわゆる若返り効果です。
食事を変えて美しく!
カロリーコントロールをする際には、ただ単に量を少なくするだけではなく食材そのものを変えることが効果的です。
例えばいつも飲んでるジュースを糖質ゼロのものに変えてみたり、いつも食べているサンマをサバに変えてみたりと高タンパク・低カロリー食材に変えることで辛くないカロリーコントロールを実現できます。
たんぱく質を多く取り入れることもオススメです。ちなみに多くと言うのは摂取カロリーの目安内で他の栄養素よりも多く取り入れるということです。たんぱく質もカロリーがあるので、ただプラスに摂取すると太ります。
たんぱく質は筋肉を作る栄養素であり、消化吸収に時間がかかるため空腹を感じにくくなり、食欲を抑える効果があります。さらに脂肪を燃焼しやすくなるのでメリットは多いです。
たんぱく質の摂取は、プロテインを活用することが効率的でオススメです。
【特典】運動・活動の消費カロリー自動計算ツール
運動などをしてその消費カロリーを知りたい場合は、下記ツールを使用するとすぐ消費カロリーを知ることができます。
運動などの消費カロリーはメッツ(METs)という単位を使用し算出しています。下記リンクのメッツ表から運動内容を検索し、自動計算ツールに必要項目を入力すると消費カロリーが自動表示されます。
国立健康・栄養研究所 改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」
まとめ ~ダイエットの王道を進む~

いかがでしたでしょうか?
ダイエットの原理・原則を知り、基礎知識や活用方法を知ることができましたね。これからダイエットやボディメイクに取り組む際の基準として活用できるはずです。
最後に大事なポイントをまとめてみましょう。
ポイントをおさらい
- ダイエットの原則は「摂取カロリー<消費カロリー」にすることが1番効果的である。
- 消費カロリーを正確に把握することで、カロリーコントロールの基準値として活用できる。
- ダイエットの目標設定は体重の5%程度/月を上限に期間を決めて、停滞期も見越して設定するのが望ましい。
- カロリーコントロールを本筋として、補助的に運動・筋トレ・食材変更・たんぱく質の摂取などを取り入れることにより、効果を高め食事制限時のストレスを軽減することができる。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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